最終章

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『手紙を見る限りでは……だろうな……でも何で別れる必要があるんだよ!!ユキはアユミが好きなのに、アユミだってユキが好きなのに何でなんだよ!!納得できね~よ!!ユキ!!熊本まで行こうや!!』   タカシは俺とアユミを会わせて話し合いをしようと言ってきたんだ。   『いや……もういい……行っても余計に辛くなる……俺とアユミは終わったんだよ!!認めたくないけど認めるしかないんだろ………アユミが出した答えがこれならば俺は受け止めるしかないだろ………』   俺はこの期に及んでまで自分の気持ちに嘘をついていたんだ………。   俺の恋は終わったんだ………。   俺はそっと立ち上がり、タカシの顔を見る事無く、雨に濡れながら家へと帰っていた。   タカシも俺の姿を見て、何も言わずに見送ってくれていた。   アユミが熊本に行ってもう3日は経っただろう………。   俺は抜け殻の様になり、自分の部屋から一歩も出たりしなかった………。   出たくてもショックがでかすぎて立つ事も出来なかったんだ。   タカシやサオリ、皆、毎日家に来て俺を励ましてくれていた。   でも俺は何に対しても笑う事が無くなっていたんだ………。   俺の心は完全に閉ざされていた。   それを少しでも直そうとタカシだけは毎日毎日家に来てくれていた。   俺も完全に戻った訳じゃないけどタカシとは普通に話す様になっていたんだ。   アユミは今の俺を見たらどう思うだろうか………。   笑わなくなった俺を見たらどう思うだろうか………。   そんな事ばかり考えて、毎日泣いている。   アユミと出会ってからの3年間は絶対に忘れられない。   アユミにたくさんの事を教えてもらった。   アユミに出会って無かったら今の自分はいなかっただろう………。   出来れば5年後にもう1度会って付き合いたい………。   本当の恋を教えてくれたアユミと一緒になりたい………。   俺はアユミと別れたけどまた付き合えると信じ続けて待つ事を誓ったんだ。   君といた3年間、俺は幸せだったよ。   この心の闇はそう簡単に光る事は無いけど、君の事を待ち続けて、いつか闇が光る事を信じて待ち続けます………。
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