第一章

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      約束   文化祭の後から俺は、毎日アユミの事を考えていた。   登校中、授業中、下校中、飯食ってる時も、風呂入ってる時も……。   アユミの見せた顔が頭から離れない。   この時から俺は、アユミに恋してるのかな?の疑問から、恋しているの確信に変わっていた。   俺は、アユミが好きだ………今すぐにでも自分の気持ちを伝えたい。   だけど、俺の頭の中ではいけないと言う気持ちがいた………。   タカシの気持ちを知っていながらアユミに告白する事はできない。   アユミに告白する前にちゃんとタカシに言わなくちゃいけない。   でも言うタイミングが分からない………。   俺はもう少し考えてからタカシに話す事にした。   季節はもう冬へと変わっていた。   教室の中では女の子達がクリスマスの話しをして盛り上がっている。   『ユキ君。クリスマスって何か予定ある?』   『いや……特に何も無いけどなんで?』   『もし良かったら一緒に遊ばない?』   俺は、アユミに誘われている。   正直、かなり嬉しかった。   でも俺はタカシも一緒なんだろうと思い……   『うん。タカシも誘ったんやろ?今年は3人で過ごしますか……』   『誘ってないよ………。ユキ君と2人で遊びたいから……』   アユミはタカシを誘ってないらしい……。   俺は困っていた。   アユミと2人で遊びたい気持ちは、もの凄くある。   だけどタカシの事もあるし………。   それでも俺は『そうなん?タカシ誘ってないんや………。   まぁ、たまには2人ってのもいいか』   俺はタカシに悪いと思いつつ、アユミとのクリスマスデートを約束してしまった。
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