第一章

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デートを約束したものの、タカシにこの事がバレたらどう思うだろうか………。   きっと悲しむに違いない。   もしかしたら最悪な事になるかもしれない。   俺はまた迷っていた………タカシに報告すべきなのか……。   その時……『あのね、この事はタカシ君には内緒にしててほしいの……いいかな?』   アユミはアユミなりにタカシの事、考えてるんだと思い   『わかった。じゃあ誰にも言わないよ』   俺とアユミは、この事を誰にも言わないと約束した………。   俺の中では罪悪感が残っていた。   でも、アユミの事が好きなのは変わらない。   12月24日、クリスマスイブ………学校の終業式。   いつもと変わらない学校の風景……だけど今日だけは違って見えていた。   終業式が終わり、教室ではHRが行われていた。   『冬休みは短いけど皆さん、良いお年を』   相変わらず短いセリフ……。   でも早く終わるから楽。   『ユキ、帰ろうぜ!!』   タカシがいつもの様に声を掛けてくる。   『ごめ~ん。今日、まじ急ぎやけん、走って帰らないかんとって……』   俺はタカシに嘘をついてしまった。   アユミも先に帰っている。   俺はタカシに『まじスマン。また部活でな』   そう告げて先に帰った。   早くアユミに会いたい。   そう思うと俺は学校から家まで走って帰っていた。   この後、どんな事があるのかを知らないのに………。
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