第一章

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テントを張る訳でもないのでとりあえず午後3時までは、自由行動となった。   近くに滝付きの川があると聞いていたので男どもは皆、海パン持参。   『ユキ君、タカシ君、私も一緒に行っていい?』   アユミが行きたそうな顔で言ってくる。   俺は『いいよ』と言おうとした時   『うん。一緒に行って遊ぼう』   タカシが俺より早くアユミに答えてた。   やっぱりタカシはアユミが好きなんだ……。   俺はなんか複雑な気持ちになってた。   別に好きとかじゃなくて単にそんな気持ちになってたんだと思う。   川に着いたらもう同級生がハシャギまくって遊んでた。   『お~い!?タカシ、ユキ、早くその滝から飛び込めぇ』   同級生の男の子。   彼の名前はカツミ。   見た目普通だけど、眉毛がとにかく濃い………。   俺とタカシは滝から下を見下ろしてみた。   『はっ?まじで………こっから飛び込めと?』   タカシはビビってた。   俺も『まじありえんだろ……』   かなりビビってしまってた。   でもカツミ達は、飛び込んだから下にいる訳で、俺らは飛び込まないと下に行けない。   『タカシ君、ユキ君、頑張って。』   アユミの応援する声が俺とタカシの耳に響く。   俺とタカシはアユミの顔を見てうなずき『3、2、1』声を揃えて川にダイブ。   いざ飛び込んでみたら一瞬で川の中………最初にビビってたのが恥ずかしかった。   『スゴーイ。2人共頑張ったね』   アユミの言葉が無性に嬉しかった。   多分、タカシは俺以上にうれしかったと思う。   俺らは時間を忘れて遊びまくっていて気が付けば3時になっていた。   『コラァ男ども!!時間過ぎてるよ』   先生が川に迎えに来たので俺らは急いで着替えてキャンプ場に戻った。
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