第一章

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      決心   キャンプ場に戻ると女の子達は、エプロンを身に着けてバーベキューの準備をしていた。   男どもは、女の子の鋭い視線を見逃さなかった。   『あんたら遊び過ぎ!!さっさ帰ってこいよ』   クラス委員の女の子が言った。   名前はサオリ。   見た感じで怖そうな子。でもアユミと仲の良い1人。   『どうもすみませんでした………』クラス男子全員で女子に謝った。   男子全員が女子に謝るなんてこれから先、絶対に見られないだろう。   『わかればいいとよ。さっさと手伝ってよね』   サオリの恐ろしい声が男子全員に響いてきた。   午後5時、準備が終わりバーベキューが開始された。   まってましたと言わんばかりのタカシの食べっぷりに皆、大爆笑。   多分、アユミに見てもらいたいと思い、頑張ってんだと俺は思った。   俺は、そんなタカシをいつも尊敬していた。   食べ盛りの男の子が20人いるので食材はキレイに無くなってた。   『すごい頑張って食べたね。その頑張りを勉強にも発揮しようね』   先生からの痛い言葉。   『めっちゃ頑張ってるよな?ユキ、タカシ』   カツミが俺とタカシに言う。   『まぁぼちぼちかな』   2人は口を合わせてカツミに言った。   それを見たアユミが   『ユキ君とタカシ君は本当仲良しだね。これからもずっと仲良くしてね』   満面の笑みで言ってくる。   タカシの顔は赤くなり照れていたのがバレバレだった。
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