第一章

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バーベキューが終わり、皆で近くの銭湯に行く事になった。   やはり何をするにも男どもは大ハシャギ。   俺とタカシはアユミと3人で話しながら歩いていた。   『覗かんでよ。お二人さん』   笑いながらアユミが俺とタカシに言った。   『そっくりそのままアユミに返すよ』   タカシがまた照れながらアユミに言った。   俺は2人が幸せそうでただ笑ってる事しか出来なかった………。   銭湯に着き、男と女に別れて行く。   その時、やっぱりお決まりと言う事でカツミが女の方に入って行こうとする。   俺らは、それを無視して男風呂に入って行った。   『おいコラァ!!何で無視やぁ?』走って来るカツミ。   『カツミ、芸が古いけんツッコミにくかったって』   俺がカツミにトドメの一言。   やっぱ家の風呂と違って広いし気持ちがいい。   『いやぁ、おお~、あ~』   タカシが親父化しているので皆でツッコミ。   露天風呂もあるとの事で皆で入りに行ったら………。   『すっごく気持ちいいねー』   女の子の声が。   ここの露天風呂は竹の壁で仕切られてるだけで声が丸聴こえしていた。   これには男どものテンションも最高潮に。   でも覗こうとしていたのはカツミぐらいで、皆普通に入ってた。   俺はタカシに呼ばれて、風呂の端っこの方に行った。   『ユキ……俺さぁ、アユミの事、好きなんよね』   タカシは真面目な顔をして俺に打ち明けてくれた。   『あー知ってたよ。結構前から……やっと俺に話してくれたね』   俺も真面目にタカシに打ち明けた。   『今日、俺、アユミに自分の気持ちを言って告白するよ』   タカシの真剣な顔を見たら俺はうなずく事しか出来なかった……。   でも心の中ではちゃんと応援してるから頑張れ。   それから先、キャンプ場に戻るまで、俺は誰とも口を聞かなかった。
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