ひそやかに繋がる

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こうしてあなたと過ごしていると 現実を忘れてしまう 優しくされると 想い合えているかのように錯覚してしまう 好きと言われると 本気で奪ってしまいたくなる あなたが私のものにはならないことくらい わかっているのに あなたのその胸の真ん中には 確かな人が微笑んでいるのに 運命を悲しんでもいいですか 出会ったことに感謝したほうがいいのでしょうか 想うほどに胸が痛いのです 抱きしめられるたびに現実を知るのです 隠される度に 虚しくなるのです それなのに 悲しいくらい愛しくて 離れたくないと泣けてくるのです 運命を嘆いてもいいですか それでも あなたを想ってしまうのでしょうけれど 奥へ 奥へと 深く 深く
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