1人が本棚に入れています
本棚に追加
「七色の尾羽ねぇ…」
興味無さげにアープが答える。
「ここから北に700ビクロ進んだ所にある山の上に、悪魔鳥の巣があるのじゃ!」
「700ビクロ!?遠いぞ!」
神様は、アープの顔を見たり古い紙を見たりキョロキョロしている。
「あんた神様なんだろ?楽に行く方法とか無いのか?雲に乗るとか、足が速くなるとか…」
神様は眉間にシワを寄せ言った。
「まぁ、雲に乗れんことはないが…」
アープは神様の肩をポンポンと叩きながら言った。
「じゃあ、行ってみようか!」
神様は少し考えたが、今逆らったら神剣で切られかねないので仕方なく従った。
雲に乗って音もなく滑るように神様とアープは悪魔鳥の巣に向かう。
「ところで、その七色の尾羽って何に使うんだ?」
神様は後ろに乗っているアープをチラリと見て答える。
「魔王の使う魔法を吸いこんでしまうのじゃ!」
「ふ~ん…で?巣の中にあるのか?」
「そうじゃ!悪魔鳥の子供が好んで食べる物じゃから、親鳥は卵のうちから見つけて巣の中に蓄えているのじゃ!」
「悪魔鳥は、どうやってその尾羽を見つけるんだ?」
「それが分かれば苦労せんわい!」
「神様でも、分からないことあるんだな!」
神様は、アープを睨み歯ぎしりしたが、アープは流れる景色を見ながら口笛を吹いているので気づかなかった。
アープはキョロキョロして何かを探し始めた。
「何を探しているんじゃ?」
気になって神様が聞いた。
「ん?そろそろ昼飯の時間だろ?町とか村とか無いか?」
神様は頭をボリボリ掻きながらアープと同じようにキョロキョロする。
「少し先に村があるようだが…」
「じゃあ、そこで飯を食おう。」
神様は無言で雲を走らせた。
最初のコメントを投稿しよう!