暇潰し

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「七色の尾羽ねぇ…」 興味無さげにアープが答える。 「ここから北に700ビクロ進んだ所にある山の上に、悪魔鳥の巣があるのじゃ!」 「700ビクロ!?遠いぞ!」 神様は、アープの顔を見たり古い紙を見たりキョロキョロしている。 「あんた神様なんだろ?楽に行く方法とか無いのか?雲に乗るとか、足が速くなるとか…」 神様は眉間にシワを寄せ言った。 「まぁ、雲に乗れんことはないが…」 アープは神様の肩をポンポンと叩きながら言った。 「じゃあ、行ってみようか!」 神様は少し考えたが、今逆らったら神剣で切られかねないので仕方なく従った。 雲に乗って音もなく滑るように神様とアープは悪魔鳥の巣に向かう。 「ところで、その七色の尾羽って何に使うんだ?」 神様は後ろに乗っているアープをチラリと見て答える。 「魔王の使う魔法を吸いこんでしまうのじゃ!」 「ふ~ん…で?巣の中にあるのか?」 「そうじゃ!悪魔鳥の子供が好んで食べる物じゃから、親鳥は卵のうちから見つけて巣の中に蓄えているのじゃ!」 「悪魔鳥は、どうやってその尾羽を見つけるんだ?」 「それが分かれば苦労せんわい!」 「神様でも、分からないことあるんだな!」 神様は、アープを睨み歯ぎしりしたが、アープは流れる景色を見ながら口笛を吹いているので気づかなかった。 アープはキョロキョロして何かを探し始めた。 「何を探しているんじゃ?」 気になって神様が聞いた。 「ん?そろそろ昼飯の時間だろ?町とか村とか無いか?」 神様は頭をボリボリ掻きながらアープと同じようにキョロキョロする。 「少し先に村があるようだが…」 「じゃあ、そこで飯を食おう。」 神様は無言で雲を走らせた。
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