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学園の校門前。
今日は中等部と高等部の入学、進級式がある。
溢れんばかりの人のが学園に入って行く。
よく見ると、先程の兄妹の姿も確認出来る。
「兄さん、緊張するね…。」
いつも無表情なレイラだが、今日は珍しく感情を表に出している。
「高々600人の前で挨拶する程度、レイラになら簡単に出来るさ。」
出来るだけ優しく微笑みながら頭を撫でる。
「兄さん…///
ありがと。」
少しレイラの表情が緩んだ。
「あーっ!!カノン君おはよー!!」
焦げ茶色の髪を、二つ結びにした“変なちびっこ”が此方に走ってくる。
「あれ?今何か声が聞こえた気がするけどなぁ…。何も居ないなぁ。」
その言葉を聞き、目の前でぷくーっと頬を膨らませるちびっこ。
自分は今不機嫌です!早く謝って下さい!
とでも言いたげな顔をしている。
気付かないフリを続けて居ると、ちびっこは目に涙を溜めながら、
「カノン君最悪です!もう知りませんっ!」
不機嫌なのをアピールしたいのか、頬を更に膨らませて うー っと唸り
―プイッ
と顔を背ける。
「わかったわかった。俺が悪かったから許してくれよ…?アイシア。今度スターダスト買ってやるからさ。」
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