70人が本棚に入れています
本棚に追加
部屋の床は緑の畳が敷き詰められ、部屋を囲うようにある襖には和柄の絵が描かれている。
奥には小柄な体に冷たい目をした、短髪の漆黒の髪が印象的な着物を着た女の子が座っていた。
「名前……」
「え?」
透き通る様な声で囁く彼女に思わず見入ってしまい、言葉を聞き取れなかった。
「貴方の名前……」
僕の目を見て彼女は尋ねる。その目は、全てを見透かされているようだ。
「ゆっ夢海 壱樹」
「壱樹……」
何かを思うようにそっと呟く。
最初のコメントを投稿しよう!