‡必然‡

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部屋の床は緑の畳が敷き詰められ、部屋を囲うようにある襖には和柄の絵が描かれている。 奥には小柄な体に冷たい目をした、短髪の漆黒の髪が印象的な着物を着た女の子が座っていた。 「名前……」 「え?」 透き通る様な声で囁く彼女に思わず見入ってしまい、言葉を聞き取れなかった。 「貴方の名前……」 僕の目を見て彼女は尋ねる。その目は、全てを見透かされているようだ。 「ゆっ夢海 壱樹」 「壱樹……」 何かを思うようにそっと呟く。
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