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「凄い地獄耳だったね」
「そうだね……」
苦笑いしながら呟く楓に僕も苦笑いで返した。
「オッス!」
話し掛けてきたのは、武野 海斗(たけの かいと)。
海斗は黒いツンツン頭が特徴で背は僕より高い。そして、スポーツをしているためか、筋肉質な顔をしている。海斗とは小学校からの付き合いで、仲のいい友達だ。
「おまえら、早速目付けられたんじゃないか?」
「あれだけで!?」
僕達の目の前まで来て話す海斗。それを聞いた楓は驚いているようだ。
「おまえらだって、あの先生がめんどくさい事知ってるだろ?」
「海斗、もしかして楽しんでない?」
面白いものを見るような目をしている海斗に楓は少し睨みながら尋ねる。
「そっそんなことないって……。おっと、授業が始まる……」
その場から逃げるように海斗は席に戻って行く。
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