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またいつもの様に殴っては嘲笑うの繰り返し。
気分が晴れるまで俺を殴り続ける。
ああ……またか。
そう思った時だった。
「そこで何やってんだ?」
俺の後を付けてきたのか知らないが、声のした方を見ると、そこには准が居た。
もちろん先輩達は准の方を向き、俺を殴る手を止めた。
「あん?
なんだお前?
お前もこいつみてぇに殴られてぇのか?!」
ガン飛ばす先輩達を震える事なく睨み続ける准は、いつもとどこか様子が違った。
その瞳は冷酷で、准を見ただけで背筋が震えた。
その時、俺の脳裏にはある言葉が浮かんだ。
「……逃げなきゃ」
思わず口に出してしまったせいか、先輩達の中の一人が俺の胸ぐらを掴んで叫んだ。
「お、お前っ!
こいつがどうなってもいいのか?!」
はやり、今の准を見て正常で居られない。
いや、居られるはずがない。
この感覚は"死を直前にした"という感覚に等しいだろう。
誰もが今の准を見て、正常で居られる方が可笑しい。
准が一歩ずつ先輩達に近付くにつれて、先輩は後退りをしつつ怯えた。
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