ブルーバードの翼

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彼女は小さく口を開けたまま 三点リーダを繰り返していたが、 突然はっとした顔になって 鞄の中をあさり始めた。 「いや、俺別にハンカチ落としやりたい訳じゃないんですけど」 彼女は真ん丸い目を俺に向けて、 こてんと首をかしげた。 ……何かこの生き物ずれてね? 俺、告白一歩手前までしたようなもんだよね? なぁ、このリアクション何、隊長? 仕方ない。 当初の予定を変更します。 「俺、ここの病院に入院してる柴原一樹っていいます。 もし暇なら話に付き合ってくれませんか。 マジ暇で死にそうなんです」 彼女はよく分かっていない様子で、 でも頭を縦に下ろした。
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