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「蝶、そういえばママとパパの恋は突然のキスから始まったわ……そうよ、あのとき」
そういえばとか何か語りだす母さん
「えぇ~!蝶ママそうなの~?」
花母さん話に乗っかり出す
「もういいから!早く写真撮ろう!」
これは終わらないと俺は瞬時に判断し、二人の間に入り込んだ
「そ、そーだよ、写真!」
花も俺と同じ様に母方二人に口を挟んだ
「……」
「……」
二人の母方は俺達を不思議そうな顔でじっーと見た後にくすりと笑った
「そうね」
「写真撮ろっか」
「それが目的でしょーが」
花が笑顔で手招きしてくれていた
「蝶、早くこっち~!」
「ぉ、おう!」
少しびっくりしたけど俺は直ぐに笑って花の元に駆け寄っていった
花の口調、表情、この場所、この空気に幼い時の懐かしい感じを感じる
気付けば母方二人も懐かしい表情をしている気がした
望まれてるんだ……やっぱり嬉しいんだろうな
俺達二人が昔みたいに仲良くしてるのが
皆嬉しいんだ
幼なじみと疎遠になって喜ぶ親なんていない
ずっと仲良しでいられるのはやっぱり幸せだから
母さんも花母さんも俺も
きっと花も、皆嬉しい
「もっとくっつきなさいよ~」
「花、蝶くんに抱き着いちゃいなさい」
母方二人に面白がられ、弄られる。でもそんな顔、前はしたりしなかった。嬉しさが溢れ出てるのが身に染みて分かる
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