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【男の子サイド】
君の唇に触れた途端に、もっと長く触れ合っていたいと思った。
心臓は早鐘を打っているのに頭はむしろスッキリとしていて、
君を抱きしめる腕に力が入り過ぎないようにしていた。
唇から零れる甘い吐息。
抱き寄せた時に気付いた、君の細い腰。
唇を何度も啄む度に時折微かに触れる胸元。
視覚で解らないものが、触覚で解ってしまうなんて、
何だか照れてしまうけど…。
君を感じることが出来るなら、
もう少し触れ合っていたい。
そんな風に考えていると、君が苦しげな吐息を零した。
それに気付くと、反射的に唇を離していた。
「あ……」
名残惜しむように聞こえた君の声。
僕の気のせいだろうか?
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