44.見えない姿に焦がれて

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【男の子サイド】 君の唇に触れた途端に、もっと長く触れ合っていたいと思った。 心臓は早鐘を打っているのに頭はむしろスッキリとしていて、 君を抱きしめる腕に力が入り過ぎないようにしていた。 唇から零れる甘い吐息。 抱き寄せた時に気付いた、君の細い腰。 唇を何度も啄む度に時折微かに触れる胸元。 視覚で解らないものが、触覚で解ってしまうなんて、 何だか照れてしまうけど…。 君を感じることが出来るなら、 もう少し触れ合っていたい。 そんな風に考えていると、君が苦しげな吐息を零した。 それに気付くと、反射的に唇を離していた。 「あ……」 名残惜しむように聞こえた君の声。 僕の気のせいだろうか?
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