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「我が一族の恥晒しめ、恨むなら魔力の無い自分自身を悔やんで死ぬが良い」
と父親であり、6大貴族の内ドレイク家当主、ミクトラン・ドレイクが吐き捨てると双剣を取り出し、地面へ突き刺した。
「せめてもの手向けだ、模造品で切れ味も悪い武器をやる、有り難く思えよ」
と起き上がろうと必死に足掻いている少年を片手で引き摺り、近くの木陰へ投げ飛ばした。
直後、魔物達の咆哮が遠くから聞こえて父親は転移すると少年はゆっくりと双剣を引き抜き、頭の中でイメージすると呟く感じで詠唱し、本物と同等の状態へ内部から変えた。
そして次々と現れた魔物、レッドウルフの群れと対峙した。
「ごめんね、まだ死ぬ訳にはいかない」
と少年は10体程度のレッドウルフをカウンターで倒し、残った1体を一騎討ちの末に脇腹を裂かれながら倒した。
傷口を抑えながら暫く歩き続け、岩に寄り掛かると視界が歪み出した。
(復讐するまで死ねない、あの男が望む運命に誰が従うものかぁ!)
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