二人の日常

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ギリギリで教室に駆け込む。幸い先生はまだ来ていないようだった。 「姐さん!おはようー。」 「おはようー!間に合わないかと思ったー。」 「先生来るの遅いし大丈夫だよ。」 隣りの席にいる長山くんが話し掛けてくれた。何故か私の事を姐さんと呼ぶ。 「あのさぁ‥倫理得意だよね?」 申し訳なさそうな声を出し、チラッと上目遣いをしてくる。 いち早く言わんとしている事を把握し、 「ファンタグレープで手を打つよ。」 と答えた。 「喜んで!!助かるわー!」 歓喜する長山くん。彼は私と同じ吹奏楽部に所属している。 そして、私の好きな人。 「あ、やっぱりこの前の日本史の貸しと合せて購買のパンでよろしく。」 「え、ちょっ‥。姐さんそれは勘弁してー!」
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