ひょんな切っ掛け

4/5
前へ
/74ページ
次へ
公園に着くと、何やら不穏な空気が漂っている。 まばらに、そして中途半端に設置されている遊具と遊具の間に、ポツンとある街灯。 そのすぐ下には、特攻服を着た小柄な人間と白い影。 立ち止まってしばらく様子を探る。 友人はそことは反対側、 つまり私のすぐ後ろにあるベンチにどっかりと座り込んで スーパーの袋を広げ始めた。 小柄な人物の手のひらには、ソフトボール大のモヤ。 モヤが手のひらから離れ、宙に浮いたかと思えば、白い影はその中へ吸い込まれるようにして消えた。 食い入るように見つめて居ると、 小柄な人物と目が合った。
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!

48人が本棚に入れています
本棚に追加