再会

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『ごめん、怒るつもりなかったんだ』 耐え切れず、先に口を開いたのは、僕だった。 波乗り達がまばらに見える海岸線の路を走れば走るほど、心なしか潮風が目にしみてきた。 『あのさ、彼女に再会する前に、伝えておきたかったんだ。お互い気持ちを打ち明けることなく、別れてしまうかもしれないのに、黙って見てるのもつらいだろ』 彼は、顔をこちらに向けずに、缶コーヒーを一気に飲み干し、ぐっと握りしめた。 『だから・・・だから会えなくなっちまう前に、いまさらながらの気持ち伝えろよ、あいつにも悔いが残らないよう、おまえの気持ち伝えろよ』 助手席に目をやると、へこみもしないコーヒーの空き缶を、両手でにぎりしめながら彼は肩を震わせていた。 ホントのこと言うと、僕の気持ちは過去のものではなかった。 きっと、彼はそのことに気付いていたにちがいない。
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