再会

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天気予報は、午後から雨らしいが、朝の空模様は、傘を必要とする心配などないと言わんばかりの、曇りのない青空が広がっている。 自宅を出て、バス停のある通りまでこの緩やかな下り坂を歩いている途中、ひとり、またひとりとサラリーマンがマイホームから出てきて、皆同じ進むべき方向を目指してただただ歩き続ける。そんな中、わたしもその流れに逆らうことなく、黙々と歩き続ける。 しがない40代目前のサラリーマンが、今日もなんら変わらずスーツ姿の胸に名札をつけ、まだ誰も足を踏み入れてないスーパーの売り場に明かりをつける。 静まりかえるフロアに立ちはだかり、『せえのー』という掛け声に続き、『ダァーッ』と叫ぶ。 変わらぬ毎日に、渇を入れるかのように、誰よりも先に出勤し欠かさずすることだ。
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