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感じるモノなんて、ない。
泡沫の夢を彼に見せて
後悔させて
壊して
消してしまいたかった。
"沢田綱吉"という存在を
彼の中から消し去ってしまいたかった。
『きょっ…や…』
やめてよ、
何で、何でその名前を呼ぶの?
その名前は
誰よりも、骸に呼んで欲しいのに─…
何故、君が─…
「…やっぱり止めた」
『…え?』
「今日はもう、帰りなよ」
僕は屋上で裸のまま寝転ぶ沢田綱吉から離れると立ち上がって、背を向けて帰っていった。
冷たい風が、頬を掠める。
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