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愛しちゃいけない事くらい、
分かってた。
期待しちゃいけない事くらい、
分かってた。
彼の心を埋める事なんて出来ない事くらい、
分かってた。
だから彼は今日もまた
『すみません』
と謝って
後処理さえせずに
僕に背を向けて帰っていく
はず、だった。
彼は行為の後、
僕の秘部に指を入れて
後処理をしだした。
「何、してるの?」
『処理ですよ、見て分かりませんか?
いつも、させてばかりでしたからね…』
【──ドクン、】
嫌だ。
嫌だ、優しくしないで
「何でそんな急に─…」
やめて
『最後かもしれませんから』
僕の体は満たされた筈なのに
何故こんなに、涙が溢れ出てくるんだろう。
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