噂と実力

3/7
前へ
/142ページ
次へ
「あいつら本気で美保を怒らせたな」 純矢がボソッと言う。 「なんの事かしら?これが本来の実力。怒ってないよ」 私が笑顔で言うと、純矢も美佐も里中くんも恐ろしいものを見た気分になったみたい。 「柏木さん・・・目が笑ってないから」 里中くんが言う。 「私に喧嘩売るからよ。それに、父親も幼なじみの両親も教師。母親は理数系が得意だしね・・・よく勉強見てもらってるから」 私が言うと、 「今まで"抑えてた"って・・・恐ろしいやつ」 純矢がぼさく。 「まぁ、次のテストでもまぐれじゃない事を証明しましょう」 「・・・美保だけは敵に回さねぇ」 純矢がしみじみ言うと、美佐も里中くんも無言で頷く。 「懸命な判断ね」 私がにっこりして言うと・・・もう三人は笑うしかない。 「あっ、私優子先生に呼ばれてるから、職員室に行ってくるね」 私は三人にそう言って歩きだす・・・私はそのまま屋上へと向かった。 気分転換に空を眺めたくなった・・・今回の噂は思った以上に精神的にこたえてるみたい・・・ 一人、空を眺めていたら、突然名前を呼ばれる。 「美保」
/142ページ

最初のコメントを投稿しよう!

78人が本棚に入れています
本棚に追加