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「あいつら本気で美保を怒らせたな」
純矢がボソッと言う。
「なんの事かしら?これが本来の実力。怒ってないよ」
私が笑顔で言うと、純矢も美佐も里中くんも恐ろしいものを見た気分になったみたい。
「柏木さん・・・目が笑ってないから」
里中くんが言う。
「私に喧嘩売るからよ。それに、父親も幼なじみの両親も教師。母親は理数系が得意だしね・・・よく勉強見てもらってるから」
私が言うと、
「今まで"抑えてた"って・・・恐ろしいやつ」
純矢がぼさく。
「まぁ、次のテストでもまぐれじゃない事を証明しましょう」
「・・・美保だけは敵に回さねぇ」
純矢がしみじみ言うと、美佐も里中くんも無言で頷く。
「懸命な判断ね」
私がにっこりして言うと・・・もう三人は笑うしかない。
「あっ、私優子先生に呼ばれてるから、職員室に行ってくるね」
私は三人にそう言って歩きだす・・・私はそのまま屋上へと向かった。
気分転換に空を眺めたくなった・・・今回の噂は思った以上に精神的にこたえてるみたい・・・
一人、空を眺めていたら、突然名前を呼ばれる。
「美保」
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