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男が説明をする代わりとでもいうようなタイミングで、小さな音が家の外から聞こえてくる。
その音はまるで、砂利道を車が走っているような……というよりも、そのまんま砂利道を車が走る音だった。
だんだんと近づいて来るのが分かる。
「もしかして、アレ?」
妹の問いに、男はゆっくりと頷く。
「ああ。俺の平和を脅かす悪魔がやって来た」
「おにぎり作ってあげる」
同情心をはっきりと示して妹がそう口にし、台所へ引っ込んでゆく。
程なくして、ブレーキ音とタイヤが砂利の上を滑る音がはっきりと聞こえた。
どうやら到着したらしい。
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