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「今日は一ヶ月ぶりのオフだって知ってるだろ?
第二班がいるじゃねぇか」
「それが今回は規模が大きくて、二班だけじゃ手が回らないって。
至急一班も援護に来て欲しいって、二班の班長からの通信があったっショ!」
そこでようやく男はテーブルから顔を上げる……ほんの数センチだったが。
顔をその男へとやって、見上げるように半眼を向けた。
「ジュノーが? くそぅ……あいつの頼みと聞いちゃあ、行かないとは言えないか。
着替えてくるから待ってろ」
椅子を引き摺って立ちあがり、先程下りて来たばかりの階段を再び上がって行く。
部屋のクローゼットを開け、階下の声を聞きながら服を脱ぎ始めた。
「あ、ラッセル。久しぶり! お兄ちゃんは?」
「ちわっす、お嬢。
今日は一段と可愛いねぇ!
ダンナなら二階で着替えてるっショ」
(誰のせいでこんなもん着なきゃならねぇと思ってやがる)
胸中で毒づきながら、クローゼットにかけられたズボンに足を通す。
二人の会話は尚も続いた。
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