第一章 休日は続かない

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「もう! 前から言ってるじゃない。 同窓生なんだから、『お嬢』なんて止めてよね。 昔みたいに名前で呼んでよ」 抗議の言葉だったが、その声にはそれほど不満の色は無かった。 本人は本気で怒っているわけではないのだろう。 だからこそ、それがかえって可愛らしく聞こえた。 「ダーメ! オレっちはダンナが班長を務める警備団に入ったんだから、その妹であるオフィーリア……じゃなかった……お嬢は『お嬢』っショ!」 「あ、ほら! 名前で呼んでくれる癖、無理やり直してるじゃない!」 ラッセルが息を呑んだのを漠然と察しながら、男は上の服に頭を突っ込んで部屋を出た。 もぞもぞと袖に腕を通しつつも、階段を降りる。 「やっちまったっショ! あはははっ!」
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