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「……あー、わかった。俺帰るわ」
「だめっ!待って!」
腕を全力で掴み、俺を静止する雛は珍しく慌てているご様子。
「なんだよ?俺いらないみたいだから帰るんだけど」
「行っちゃだめです……1人にしないで」
強気な彼女が弱々しく懇願する様には、恋人として無下にするわけにはいかない。
というより、そもそも冗談のつもりだったのだが、これほど全力で止められるとは思わなかった。
いったい母さんは雛にとってどれほど脅威なのだろうか?
母さん達に連れられリビングに移動。
リビングの机にはお寿司が並んでいた。
「お腹すいたでしょ?さあ食べましょ」
「義母さん、こんなに豪勢でなくとも良かったのに」
「いいのよ、こっちが好きでやってんだから」
「俺の誕生日でさえ家で寿司食ったことねーのに……」
「しかもこれのせいで来月の俺のお小遣い、少し引かれるんだ……」
「いらないなら食べないでいいわよ?」
「それじゃあいっただっきまーす!」
父さんが少し不憫だと思ったが、お寿司は美味しく食べさせてもらいました。
「私本当に雛ちゃんみたいな可愛い子が娘に欲しかったの」
「いえいえ、私なんかぜんぜん……」
食事を終えると、次はお菓子とお茶が出てきた。
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