7月19日

7/10
前へ
/33ページ
次へ
そこは不思議な世界だった。すでにワッカとユウナは誰かと逢っていた。ワッカが逢っていたのはどうやら弟のチャップ。ルールーが教えてくれた。チャップは愛する人をシンに怯えた世界から救うため討伐隊に入隊し、機械の武器をもって戦ったが死んでしまった。そしてその愛する人がルールーだった。 ルールーってワッカとできてるんじゃないんだぁ。 だからエボンの教えに反するうんぬんより、機械の武器を使って死んだチャップを悔やみ、機械をつかうアルベドを、ワッカは嫌うのだ。 そしてユウナ。ユウナのまえには夫婦。ユウナの仲のよさそうな両親だ。ティーダは自分の両親を振り返る。自分の両親もまた仲が良かった。時に母親は自分より夫を愛していたようにさえ思う。もしかしたらティーダは、ブリッツではスター選手で、母親(妻)の愛を独り占めした父に嫉妬していたのかもしれない。 ティーダは父親を想った。だが異界に姿を現さない。ユウナはそれはジェクトが生きているからだといった。ティーダは父親がシンだから。死にきれていないからだとぼんやり思った。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

138人が本棚に入れています
本棚に追加