-Sweet-

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『なんでっ…愁さ…ぐすっ』 ぽろぽろと大粒の涙を零し、両手を縛られている為にそれを拭うことすらできない華芽の顔は涙でぐちゃぐちゃだった 華芽と繋がったまま動かない愁は上半身を屈め、華芽の瞳から流れる涙を舌で掬う 「華…俺のこと……嫌い…?」 『えっ?』 「春臣が…いいの?」 『ッなんで…僕は愁さんが好きなのに…』 やっと会話をしてくれた 溢れ続ける涙を優しく拭ってくれた 目を合わせてくれた 今まで当たり前だったことがこんなにも幸せなんて 「チョコ…」 『ぐすっ…チョコ?』 「………あげてた…貰ってない」 そう言って眉を寄せた愁の姿を見て、華芽はやっと状況を理解した
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