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『…いよいよ明日かぁ』
ポツリ、呟いた言葉は誰に届くでもなく静かに消えて行く
バレンタインからあっという間に日が進んだ
仕事に追われる毎日で忙しかった日々が終を告げる
明日は、桜蘭学園の卒業式だ
自分が卒業するわけでもないのに、華芽は一人部屋でしんみりしていた
二度と会えない訳じゃない
会おうと思えば会えるし、連絡だって何時でも取れる
それでも、寂しい事にかわりはなくて…
『要さん…成充さん…
葵さんも明日発つって言ってたっけ…』
二人が卒業してしまっても、葵が留学してしまっても、春臣、輝、そして愁が傍に居る
わかっていてもやはり寂しいものは寂しかった
『…明日は笑顔で見送るぞっ』
軽く意気込み、不安を隠せないまま眠りについた
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