-Parting-

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「卒業生代表、黒崎要」 「はい」 答辞を務める要の姿を見て、華芽はぽろぽろと涙を流していた 正確にいえば、祝辞や送辞の時点で泣いていたのだが… 「あーほら、目擦んないの」 「可愛い目が腫れちゃうだろ?」 華芽の泣きっぷりに焦りながら必死に宥める春臣と輝 愁は学年が違う為、少し離れた場所に座っていた 『だって…だってえ…』 ぐしゅぐしゅと目元を拭うが、次から次へと溢れ出てくる涙に華芽自身少し諦めていた 「華芽」 不意に、マイク越しに名を呼ばれ顔をあげた 「お前が寂しがってたら何時でも駆け付けてやる だからもう泣くな」 顔をあげた先には、マイクを持ったままの要の姿があった
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