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「ねぇ、二人はいつ知り合ったの?」
「え?」
お日様が天辺に近い場所にいる時刻、つまりお昼頃。
今日はのんびり野原で日向ぼっこをしていた一同(鄒藺は無理矢理/綵音は今回欠席)。
原っぱに寝転びお昼寝したり、花を摘んで冠を作ったりと各自好きなコトをしている。
そんな中、灯太と遊んでいた炬雍はふと丘雨に近寄り、突然質問を吹っ掛けたのだった。
それが一番最初の台詞である。
丘雨はきょとんと炬雍を見る。
そしてニコッと周りに花が咲いているような笑顔で笑うと、
「こよちゃん、主語ないよ~?」
つっこんだ。
炬雍は丘雨が珍しくつっこんだ事に少々驚くが、つっこまれた意味を理解すると「そりゃ誰でもつっこむよね……」と心の中で苦笑した。炬雍は手のひらを合わせ謝った後、今度は主語を飛ばさないように慎重に再び質問する。
「雛くんと丘雨ちゃんってさ、こんが二人を紹介しようとした時にはもう顔見知りだったじゃん?なんでかなぁって思ってさ」
「雛藺くんと私がぁ……?」
丘雨のゆっくりとした台詞が終わる頃に二人は空を見上げる。そこにはケンカ?言い合い?中の翊闇と雛藺がいた。
二人はまた顔を上げるのを止め、目を合わせる。炬雍は丘雨の返事を待った。
「……そうだったっけ~?」
ズコォッ!!
炬雍はずっこけた。
「丘雨ちゃん……覚えてないの?」
起き上がり、苦笑を浮かべながら丘雨を見る。
すると、うん。と素晴らしい笑顔で頷き返された。
ダメだこりゃ。
「こよっちー!」
「ぴぎゃ!」
どうやって聞き出そうか迷っていると、先ほどまで上空で翊闇と言い争っていた雛藺が突然、炬雍にタックル(という名の抱きつき)をしてきた。おかげで変な声が出てしまった炬雍。
丘雨に関しては、驚いたのかぱちくりと目を瞬かせている。
「聞いてくれよー!翊闇がいじめる!」
「ちげーよ!雛藺が『こよっちとおれはラブラブ』とか言うから殴っただけですー!」
「ラブラブ……?」
ギュッと炬雍に抱きつく雛藺に対して翊闇も反論する。いつもの事なので炬雍はアハハと苦笑いを返した。
丘雨は「こよちゃんはモテモテだよねぇ~」と周りにお花が舞っているのかと思うぐらいポワーンとした笑みを見せていた。
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