出会い

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「…………翊」 「夢暖!!」 ギャーギャーと騒いで(翊闇と雛藺だけ)る中、先ほどまで木陰で寝ていた夢暖が翊闇を呼んだ。 みんなも夢暖へと視線が注目する。呼ばれた翊闇が代表して夢暖に問うた。 「どうした夢暖?」 「木の実……取りにいく約束……してた、でしょ?」 「あ……」 どうやら翊闇は夢暖の木の実を取りにいく約束をしていたらしい。表情を見るところ、翊闇はすっかり忘れてた様子。 「……行くよ」 有無を言わさず、翊闇の腕を掴むとズンズンと歩き出した夢暖。結構ハイスペースである。翊闇はたまにつまづきそうになるも夢暖に引っ張られていった。 「雛藺!後で覚えとけよー!」と振り返り言ったのが最後で。 「またねー!」 「頑張って来てねぇ」 「べーっ!イーヤーでーすー」 上から炬雍、丘雨、雛藺の順番。 前者二人は笑顔で手を降っているが、後者は去っていく翊闇に向かってベーッと舌を出していた。 「……さて!雛くんに聞きたいことがあるんだけど!」 暫く見送ったあと、パンッと手を叩き首に抱きついている雛藺を見る。雛藺は「ん?」と、きょとんとした表情だ。炬雍は聞き出す為に話を続けた。 「丘雨ちゃんと雛くんっていつから出会ってたの?」 「え、」 炬雍の問いにひきつった表情を見せる雛藺。「大丈夫?」「どーしたの~?」と二人が声を掛けるも「な、何でもない」と答えた。やがて炬雍の隣に胡座(アグラ)をかいて座ると、言いづらそうに口を開いた。 「丘雨ちゃんと出会ったのは、こよっちに紹介される半月ほど前、かな」 「へぇ~、そうだったんだぁ」 「丘雨ちゃん……。で、どんな感じで出会ったの!?」 ボソリボソリと呟くように答えていく雛藺。それを聞いて今初めて知りました的な雰囲気を醸し出す丘雨。そんな丘雨を見て苦笑を洩らすも、自分の知らない二人が出会った時の話に興味津々に雛藺に続きを催促した。炬雍に催促されると、仕方なくその時の事を話始めた。 「えっと、あの時はおれはアヤに言われた材料を探してたんだ」  
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