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「……って事なんだ」
「なるほどー、確かに こんが紹介する前にすでに雛くん、鄒くんの後ろで震えてたもんね」
へぇー。と紹介した時の事を思い出しながらその時震えてた雛藺も紹介した時の事を思い出していた。心無しかげっそりしている。
「まさかこよっちの友達とは思わなかったぜ……」
「こん達は小さい頃からずっと一緒だもんね!」
「うんっ」
ねー!と顔を見合わせる二人にジェラシーを感じたのかムッとする雛藺。口を開き対抗し始めた。
「へ、へへーん!オレだって丘雨ちゃんに負けずこよっちと仲良いもん!」
「雛藺くん負けず嫌い~」
「なっ!」
口では丘雨の方が一枚上手なようだ。押し黙って炬雍からくすくすと笑みが溢れる。
そんなほのぼのした中、とある人物が現れた。
「雛」
「あ、兄貴!」
名前を呼ばれ振り返れば先程まで三人より少し離れた場所で寝ていた、雛藺の双子の兄 鄒藺が仁王立ちで立っていた。
「そろそろ帰るぞ……」
「えー、まだ居ろうぜー?オレこよっちともうちょっと話したいー」
行くぞと言われたが、首を振って拒否すれば炬雍に抱き着いた。炬雍は苦笑いで、丘雨はきょとんとした表情で雛藺を見ていた。
「(うぜえ……)お前に拒否権はない」
「あああ!はーなーせー!」
ハァ、と一つため息をつけば無理矢理 二人を引き剥がし、片割れの首根っこを掴む。ジタバタと騒いでいるのを無視して鄒藺は優しい笑みで炬雍の頭を撫でた。そのまま炬雍と丘雨を交互に見る。
「お前ら帰る時は気を付けろよ」
「うん!」
「はぁ~い」
鄒藺の言葉に素直に返事をするガールズ。二人とも笑顔だ。
「ちょ!俺もこよっちとバイバイしたい!!」
「じゃーな」
「ちょっとおおぉぉお!バ、バイバーイ!!」
結局、雛藺は何一つ聞いてもらえず仕舞いで鄒藺に連れられ足に風を纏って飛んでいってしまった。
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