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凌『最後の大会にこんな良いチームメイト達と一緒にこの試合を勝って終われるんなら悔いはねえよ』
斎駕『凌お前はほんまアホやは‥俺はこれだけは聞いとかなあかん、ほんまに悔いは無いんやな?』
少しの間の沈黙が流れる…
しんみりしている空気を嫌って凌は話し始めた。
凌『正直悔いない事はない…』
その言葉を聞いた斎駕は「なら」と言った所で凌に止められる。
凌『まだ話しは終わりじゃない‥俺はこのまま投げないで後悔するより投げて後悔するほうがよっぽど良いんだよ、お前達と最高の野球が出来て俺は幸せだよ…まあ野球はまだ続けたいけどな』
凌は笑っているがこの言葉を聞いたチームメイト達は涙を流していた。
皆は思った‥コレが自分の立場なら出来るだろうか?野球を捨てれるかとか?後悔する事を後悔しないだろうかなど‥高校でも野球をしたいだろうにバカだ…
凌はいきなりの光景に困惑するが次第に自分の頬にも涙が流れているのに気づいた。
凌『皆泣くなよ‥グスッ‥うっ……まだ‥試合‥終わ‥ってないんだぞ…』
この言葉に皆はさらに涙を流す。
そこに審判がやってきた…
審判『試合始めるからランナー‥は…』
そこまで言うと審判は目の前の光景を見て思わず言葉を止めた。
それは不思議な光景であった、まだ勝敗も決していないにも関わらず全選手が涙を流している。
そこで審判は察する事が出来なかった‥この意味をそしてこの後起きる最後を…
審判佐伯は後に語った、あの試合だけが私が唯一審判人生の中で後悔した試合だったと…
審判佐伯はあの後皆が泣き止むまで治療中と言って待っていてくれた。
そして皆が泣き止むとじゃあ試合始めるからと言って戻って行く。
その背中に皆は心からありがとうを送った。
斎駕『よし皆まだまだ点取るぞ』
そう言ってランナーなので斎駕は3塁に走っていった‥充血した目を見せずに…
その後すぐに試合は始まり5番の森がサードへ内野安打を打ち栄光は貴重な1点を追加した。
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