凌の秘密

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その後の6番大宮は三振に倒れチェンジになった。 凌『よしいくか!』 ひとつ気合いを入れるとベンチから飛び出して行く凌を控えメンバーは見守る。 ?『行かせて良かったんですか?』 ベンチでかなり心配そうに見守る中年の男が言った。 監督『良いんだよ‥逆に行かせないとあの子達の気持ちを踏みにじることになる‥心配ない責任は取る…』 監督は凌達を見ながらそう言うと隣の中年男性を見ると中年男性は驚いた。 監督の目は真っ赤に充血していて瞼は腫れていた、ここで中年男性は理解した今まで黙っていたのはこの為かと… 選手だけならまだしも監督までもが涙を流す訳にはいかなかった。 中年男性はもうこれ以上は何も言わなかった‥いや言えなかったのかもしれない… その頃グランドは 凌『軽く投げるのも痛いけど‥でも痛み止めのお陰でどうにかましになってきたな…』 今投球練習しているのだが、投げる力は痛みでほぼ失わていたのだが徐々にましにはなった、時間は戻るが皆が泣き止んだ時ドクターが痛み止めの注射を打ってくれたの事は口止めされている。 凌『痛み止めがきれるまであと5分か‥痛み止めがきれるのが先か、それとも腱がブチギレるのが先か‥それとも試合が終わるのが先か…まあやるしかない』 投球練習が終わった頃には痛みは引いていた。 相手の打線は8番からだ、もうなりふり構ってられない打たせて取る。 凌は投げる球をストレート一本に決めた。 凌『よし終わらせよう』 そう呟くと凌はど真ん中にストレートを投げた。 もちろんど真ん中を見逃すはずは無く打つのだが打球は力無くショートへのフライに倒れた。 続く9番をセンターフライに打ち取った凌は電光掲示板にある時間を見る。 凌『後4分か‥でも後1人…』 静かに呟くと打者に視線を向ける。 投球フォームに入り投げた。 ど真ん中へのストレートだがこの打者はセンター前へのヒットを放ち凌はランナーを許してしまった。 凌は続く2番と3番にもヒットを打たれ2アウト満塁で今日3安打の4番相馬を迎える。
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