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もう本当に後が無い山学の次の打者は凌である。
そんな凌はと言うと…
凌(これが絶体絶命ってやつか…)
９番打者の為ネクストに入っていた凌は目を閉じ心の中でそう呟くと自然と笑みをこぼしていた。
木下『笑える程余裕があるならホームランよろしく頼むよ』
１人で笑っているところを見られていた凌は照れ隠しに
凌『場外まで飛ばすからちゃんと見とけよ』
と相手に挑発とも取れるような言葉を木下に言った。
あいにくそれは相手には聞かれていなかった為めんどくさい事にはならずにすんだのだが正直凌は焦っていた…
凌(あんなでけぇ事言ったけどさ‥俺最近バット握ってないな…まぁ最低でもヒット打てば望みは繋がるし思いっきりバット振るか‥でも思いっきりだと飛ぶかな………？バット…)
少し怖い事を考えながらも凌は右打席に入った。
相手ﾋﾟｯﾁｬｰ西はゆっくり振りかぶると投げた！
ブン！！！
初球は真ん中低めに落ちるカーブだったが凌は空振る。
凌『あれ？確かにタイミングは合ってるはずなんだけど‥まぁ良いや…』
凌は深く考える事はせずにｽﾄﾚｰﾄを狙う。
西はゆっくり振りかぶり第２球目を投げた！
ｶｷｨｰﾝ！
外角のｽﾄﾚｰﾄだった…
バットの先に当たり詰まったボールはレフトにフラフラと上がる。
そしてレフト飯田はゆっくり落下地点に入りグローブをボールに伸ばす。
その行為は誰しもがこの試合が終わったと思っただろう…
その証拠にさきたまの選手はホーム前に集まって来ており、観客も帰ろうと席を立ち始めている。
だが凌はボールの軌跡を見上げるとニヤリと笑った。
西(勝った)
西がそう思った直後
凌『伸びろー！』
凌がそう叫ぶや否や何のいたずらかレフト方向に一陣の強い風が吹いた。
凌とレフトの飯田以外の球場にいた全ての人はその風によりボールから目を逸らしてしまった。
２、３秒すると風が収まり全員がレフトの飯田が立っている場所を見ると目を疑うような事が起きていた…
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