秋季大会1回戦!

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風が吹く前まで立っていた場所に飯田はいなかったのだ… 良く探すとフェンス際に突っ立っている飯田と審判が何やら話している。 手短に話し終えると審判は右手を頭の上でグルグル回し始めた。 木下『えっ?ホームラン!?』 木下が驚いているとダイヤモンドを回り終えた凌がニコニコしながらベンチに戻ってくる。 凌『言われたとうりちゃんとホームラン打ったぞ?』 木下『場外に?』 凌『だから言われたとうりだって言ったろ、場外とは俺が言っただけであって木下は言ってないだろ?』 木下は少し考えると納得したのかハッとした顔になり頷いた。 凌『とりあえずこれでコールドは免れたな』 安堵の表情を浮かべた凌の元に2人が近づいてきた。 加藤『この俺の次にナイスなバッティングだったぜ~藤田』 田中『ほんとナイスだったよ藤田っち』 なんか癖の強そうな2人が出て来た事に気だるさを感じたが、まあそれでもいちようはチームメイトなので感謝の言葉を返す。 凌『ありがと‥それより俺のことは藤田じゃなく凌って呼んでくれ』 そう言われた2人は顔を見合わせるや否やニコッと笑い凌を見る。 凌『なんだよ2人して』 田中『いやなんて言うか‥凌ちんって栄光にいたって言うからもっと取っ付きにくい性格なのかなぁとか思ってたけど意外と親密なんだなって思ってさ』 再びニコッと笑い加藤を見る田中。 それに気付いた加藤は頷き更に付け加える。 加藤『ほんとほんと練習のときなんてほとんど木下か美樹ちゃんとしか喋んねーんだもんよ』 そう言われてみれば確かにそうかもしれない。 木下と美樹とは中学が一緒だったこともあり話しやすいのだが… 加藤や田中達とはまだ出会って間もないためか目が合っても何も話せずにいた。 そんな状態がずっと続いてしまったが為今日を迎えたのだ。 凌『木下と美樹とは中学が一緒だったからな‥お前達は自分達でグループ作って話したりしてるだろ?だから話しかけにくかっただけだって』 申し訳なさそうに喋る凌に対し加藤は。 加藤『ならこれからはじゃんじゃん話し掛けてこいよな』 と言ってはにかんだ。 田中『俺にもな』 少し存在を忘れてた田中もニカッと笑う。 凌『分かってる、よし話しは終わりだ試合見ようぜ』 そう言うや否や田中とベンチの1番前に移動を始める。
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