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凌『お~いまだかぁ?』
既にブルペンに着いていた凌は待ちきれなくなり問い掛けると…
木藤から「今行くよ」と返事が帰ってきたと思うといきなりフェンスの向こうから美樹が現れた。
美樹『凌?あっやっぱり‥それよりあんたブルペンでなにしてんのよ?』
凌の事情を知らないでその場にいた者ならいや普通に投球練習じゃね?
と思うところだが、美樹は凌の右投げのスピードがとても遅いことを知っているので疑問が浮かぶ。
凌『おっ美樹来てたのか?ん…?なにって投球練習だけど……?』
マネージャーなんだから来てるに決まってるでしょと言おうとしたが止め、更に湧き出た疑問を聞くことにする。
美樹『なんであんたが?それにグローブ右にはめてるし』
美樹の言うとうり今凌はグローブを右手にはめサウスポーになっている。
凌『今は試合中だから詳しくは試合終わってから聞く、だからゆっくり見てろよ』
美樹『……分かった』
まだ少し納得がいかないらしいが凌の言うとうり確かに今は試合中の為渋々合意した。
そこにタイミング良く
木藤『ごめんお待たせ』
控えキャッチャーの木藤が到着した。
凌『それじゃあ最初からエンジン全開でいくぞ!』
腕をグルグル回しいかにも速い球投げますアピールしている凌だったが。
すぐに腕を回すのを止め、俯くと目を閉じ一度大きく深呼吸し投球に意識を集中させていく。
数秒すると顔を上げ目を開けるとミットだけを見据えた。
そしてゆっくり腕を大きく上げると頭の上で止った。
しばらくし右足を高く上げると腕を顔の位置まで下げ止める。
やがて淀みのない流れるような理想のフォームから白球が繰り出された。
ドンッ!
監督『何だ今の音は!?』
かなりの大きさの音が聞こえ、球場にいたほとんどの者達は一斉にブルペンの方へ振り向くと…
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