秋季大会1回戦!

13/16
49人が本棚に入れています
本棚に追加
/48ページ
凌は思った…… それならば賭てみよう…… 自分の信じる相棒が全力の速球(ストレート)を捕ってくれることを。 凌『わかった‥どっちみち木下が俺の捕れないんじゃこの先勝ち上がれないしな』 木下『じゃあ…』 凌は頷くとにかっと笑うや否や、大きく振りかぶると木下に言った。 凌『信じてるぞ相棒!!』 ギュルルルルルッ!ズバーン! ミットに収まる大きな音がグランドにこだまする。 今のピッチングを見た両チームや観客… そしてプロ野球のスカウト達。 全員が自分の肌に鳥肌が立ったことを感じたのだった。 その中の1人で、美樹の隣に座っているなにやら関西弁丸出しな男が声を張り上げる。 男『なんやあのピー‥こりゃ凄い逸材や要チェックやでぇ!』 隣に座っている美樹は耳を手で抑え、周りにいた者の視線が一気に集まる。 それ程大きな声だったのだろう……… そんな少し危ない男と美樹は目が合ってしまう。 あっと思った頃には既に遅く、美樹はその男に話し掛けられてしまうのだった。 男『なぁ姉ちゃん』 美樹『な‥なんでしょう?』 恐る恐る答えると… 男『あのピーの事知っとるか?』 それだけだったが美樹にとっては嬉しい事だった。 なぜか? それは、少なくともこの球場内にいる人達が凌に感心を示してくれた事それが嬉しかったのだ。 美樹『知ってます‥だけどその前に聞きたいんですけどあなたは…』 美樹の会話を遮り男は話し出す。 男『わいは高校野球好きのただのおっさんや、別に他校の偵察とかちゃうから安心しぃな姉ちゃん』 なにか怪しいおっさんは豪快に笑い出した。 美樹『分かりました教えます、彼は‥藤田凌は去年まで栄光学園にいたんですよ…まっ二軍だったらしいですけどね』 男『藤田凌‥栄光の二軍……?ん!?そんなまさか!』
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!