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123 456 789 山下学院 200 000 2
さきたま 900 000
5点差を追う山学の次の打順は3番の加藤。
2塁に先程2塁打を放った田中を残し2アウトながらクリーンアップを迎える。
西はランナーの田中をチラッと見ると溜め息をつく。
西『はぁ‥完璧に流れ持ってかれてるよ……めんどくさいし疲れるし、それに家帰って寝たいから早く試合終わらそ』
コレがいけなかった…
セットポジションから投げた初球はストレート、だがストレートはど真ん中にやって来た。
そんな球を加藤が見逃すはずもなく、グランドに快音を響かせ打球は吸い込まれるかのようにレフトスタンド中段に飛び込んだ。
山学 6ー9 さきたま
加藤の2ランホームランでついに点差は3点差にまで詰まり山学は逆転を射程圏内に入れる。
そして次のバッターは4番の木下。
西『あぁーくそっ!イライラしてきた‥うーん次だ‥ランナーもいなくなったし次で切ろうっと』
ランナーはいなくなったが勢いと言うものはそうそう簡単には抑えられるものでも無く、西の思いとは裏腹に山学の猛攻は続く。
木下はカウント2ー1からの4球目、真ん中低めにきたストレートを振り抜いた。
キィーン!
高々と上がった打球は左中間のど真ん中に落ち、ボールはフェンス手前まで転がり木下はその間に一気に三塁までおとしいれる。
木下『まあまあかな』
3ベースを撃っていながらまあまあとはなかなか贅沢である。
まあそれには理由があった。
木下は甘いコースにきたストレートに対し長打を意識して少し力んでしまったのだ。
その為ボールがバットの先に当たってしまったのだが、球はホームからの強い追い風に乗り伸びた為結果的に長打になったのである。
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