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木下『実はさ夏の大会初めて1回戦突破したんだよ、凌も野球続けてるよね?』
凌『まぁいちよう続けてる』
木下は歯切れの悪い返事をする凌に疑問を持つと試しに聞いてみる。
木下『ピッチャーを?』
その問いに凌が答えることは無かった。
木下『言いたくないなら良いよ、じゃあさ放課後暇?』
家に帰っても特にする事も無いので凌は頷く。
木下『じゃあ野球部の練習見に来なよ』
嬉しそうに言う木下を見ると凌は分かったとだけ伝えた。
美樹『練習見に来るんだ?』
隣で話しを聞いていた美樹は今まで一言も喋っていなかった。
おそらく木下が話し終えるのを待っていたのだろう。
凌『あいつがどれだけ成長したか見たいからな』
そう言って木下を見る。
美樹『あいつも成長してるよ色々と』
凌はふーんと言うだけで詳しくは聞かなかった。
たぶん凌は自分の目で見て確かめたいのだろう。
美樹『放課後が楽しみね』
そこで授業開始のチャイムが鳴り2人は席に戻っていった。
その後はひとしきり真面目に授業を受け今は昼休みである。
凌『あいつ変わったよな?』
その人物をチラッと横目で見てみる。
木下『凌がいなくなってからだよ美樹が変わったのは。』
いきなりそんな事を言われ思考が追いついていなかったが、だんだんと思考が戻って来ると罪悪感が沸いてくる。
凌『どういうことだ?』
恐る恐る聞いてみると…
木下『凌が誰にも言わずいきなり引越した後さ、美樹しばらく学校来なかったんだよ』
さすがにそんな事になっているとは知らなかった凌は
凌『そうなのか!』
と少し声を荒げて木下に聞き返す。
木下『あぁそして1ヶ月くらいしてからかな学校に来たのは、そんときからかな?なんか極端に明るく振る舞うようになったの…』
凌『俺最悪な事をしたな…』
ふっと苦笑いを浮かべるが正直今は美樹を見れない。
木下『その気持ちがあるなら放課後絶対部室来てよ、美樹マネージャーしてるからさ』
予想外の事にまさか美樹がマネージャーをしているなんて夢にも思っていなかった凌はポカンと口を開け固まっている…
木下『大丈夫?とりあえず絶対来てよ?』
凌はうんうんと2回頷くとその話しは終わりそれと同時に昼休みの終わりを知らせるチャイムがなった。
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