祭囃子―――――鬼道

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「そうか……そんなに俺が嫌か」 冷徹な……鬼の顔。 その足がゆっくりと……匣を倒す……。 「ひっ……テメ、ッッ!」 ひきつった声をあげ、その場から逃げようとする銀時。だが、不自由な両手と片足が邪魔をする。 「俺が嫌なら……ソイツ等相手にしてりゃいい」 獲物を求めて蠢き始めたソレ。ぬめぬめとした粘液を出しながら確実に銀時を狙ってくる。 「い、嫌だァァァッッッ!!」 おぞましさに涙を流しながら必死に躯に張りついた一匹を叩き落とす。 だが。次から次へと這い上がるソレは。次第に銀時の弱い所に吸い付くようで。 先刻まで土方に嬲られ続けた躯は再び熱を取り戻す。 「ひぁッ!?」 一ヶ所だけ。一切触れられていなかった箇所……銀時の最も敏感な部分にぬめる感覚が襲う。 先端部分から滲み出す液体……好物を見つけたソレは、大きく銀時自身を咥え込む。 「やァッ!?」 眼下に広がる光景と。 全身を襲う感覚に。 最早正常な思考が出来ない。 「ひ、ひじっ……かた……助けてッッ!」
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