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鈍い金色を帯びて、空は曇っている、――相変わらずだ、――
とても高いので、僕は俯いてしまう。
「ちょ、お兄ちゃん、朝から何を―――」
俺が上に乗っていることに気付いた妹。やっと目を覚ました。
妹に兄と呼ばせることで、俺のものだと意識する。意識させる。
嫌な夢をみた。誰かとのつながりがほしくて、妹に乗った。
それに慣れてしまったのだろうか、妹は流れに任せて抵抗しない。
目を閉じて、俺を見ようともしない。少し、悲しい。
もう、疲れた。
「起きろ。朝だぞ」
「―――知ってるよ」
「今日で終わりだ。実の兄のところへ帰れ」
俺は言って、汗を流すために浴室へ向かう。妹が疑問の視線を投げてきても、無視。
そう、今日で終わり。3年の契約期間が満了。長かったな。
シャワーを浴びながら、それでも妹の身体はよかった、などと下らないことを考える。
少し前に、妹が俺以外と寝ていることに気が付いた。
相手の予想はついている。たぶん当たっているだろう。
ついに、このときがきたのだ。
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