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(こいつに似合いの女か……。
気立てが良いのは大前提だなぁ。ちょっとやそっとでは動じない度胸も必要だ。
頭が良すぎるってぇのは鼻につくが、いざってぇ時には機転が利くくらいのもんはいるな。
そこそこの教養はあるがそれを鼻にかけない謙虚さと男を立てる術を持っている女。
飯も上手けりゃ最高なんだがなぁ…。
後は、欲を言えば器量良しだとなおいいんだが、それだと欲張り過ぎだな。
それに…、あんまり完璧過ぎだと男の方が気後れしちまうしな。どかこ抜けてる方が愛嬌があって可愛いげがあるな。)
土方は腕を組み、沖田に気づかれぬよう唸り声をあげた。
(そんないい女がそこいらにいるわけねぇわな。
いたら俺の方が惚れちまうかもしんねぇしな。)
土方は乾いた笑い声を短くこぼした。するとそれを聞き取った沖田が土方の方を見た。
「どうしたんです?
笑ったりして。」
沖田が不思議そうに首を傾げた。
「いや、なんでもねぇ。
しょうもねぇ事を考えてただけだ。」
「しょうもない事ですかぁ~。
少し気になりますけど、まあ、今はいいでしょう。
そんな事より、ほら見てください!
どうやらあそこみたいですよ。」
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