思いの行方

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    どこまでを出会いというのだろう? すれ違いでも出会いというのなら、それこそ出会いは星の数だろう。 失恋時に励ます陳腐な定番台詞。慰めにもなりはしない。 後に思い返せるものを出会いというのだろうか? 驚くほどに鮮やかな特別な記憶を。 だとすれば、 私は出会いにあふれている。 そのほとんどは喜びだ。 空虚な世界を満たす私の光。 出会いは私にとって歓迎すべきものだったのに……。 あの人との出会い、 それを私は初めて悔いた。 出会わなければと何度も思い繰り返す。 大切な人達を護りたい。 その思いは真実。 あの人の側にいたい。 それは引き裂かれるほどのもう一つの思い。 もう帰れないだろう私の元いた世界。 この苦しい思いだけでも送れはしないかと自己逃避。 それでも、いつかは、 どちらかを選ばなくてはならない時が来るのだろう。 それならば、せめて、 その時を可能な限り遅らせたいと願うだけ……。  
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