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(いや、耐えられるかどうかは俺と近藤さんの方だな…)
真っ白な総司が変わってゆく姿を見ていることが出来るのか。
土方は隣を歩き邪気のない笑顔を振り撒く沖田を見やった。
(……この笑顔を失うことのないよう俺と近藤さんとで守ってやればいい。)
支えて見守っていこう。体も心もだ。何があっても総司の全て受け入れる。土方はそう胸中で固く決心した。
(…そうだな、あとは惚れた女でもできれば励みにもなるってもんなんだが。)
土方は剣術に明け暮れていた沖田の日々を思い返す。その中に女っ気があったことなど一度もなかった。
興味がないわけではない。男ばかりの中では話しは自然と女の話題になる事が多い。沖田はそれらを聞いて目を丸くしたり顔を赤らめたりはしていた。
(奥手なのか、
まだ餓鬼だからなのか…。
あれは初恋もまだだろう。
そっちの面でも世話を焼かなきゃなんねぇかもな……)
呑気に鼻歌さえ歌いだした沖田に腹立たしいなんとも言えない感情が沸き上がる。土方は沖田に気づかれぬよう小さく嘆息した。
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