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母が死んだ次の日に手紙がきていたのには泣きました。
数年前私は東京の会社に勤めていて、母が倒れたことを聞き一度見舞いに地元には帰ったものの、
ちょうどそのとき仕事の過渡期でなかなか休みをとれず、半年ほど様子見に買えることもできない日が続いてました。
ちょうどそのとき、私が付き合ってた女性のことを、両親とも認めてくれず、特に母親は
「絶対に結婚は許しません」
の一点張りで、プロポーズまでして、二人の間では婚約してはいたものの、
結婚となると、家同士のこともありますし、なかなか出来ないでいました。
母が入院しているときにも、電話をかけると必ずその話になってしまい、病気だというのにもかかわらず、電話ごしにけんかするばかりで、正直なところ、心の中で母を憎んだこともありました。
そうこうしているときに、急な母の病状の悪化。
危篤の知らせが入った3時間後には息を引き取るという突然の死でした。
母の死に目にも会えず、急いで実家に戻った時にはもう母は実家に運ばれ、冷たくなった母の手を握り、とても後悔していました。
「何でもっとやさしくしてあげなかったんだろう。」
「何でもっとお見舞いにきてあげなかったんだろう。」
「何で結婚のことを反対されたからといって憎んでしまったりしたんだろう。」
後悔先に立たず、死んでからわかる親のありがたみ、そんな言葉が身に染みて分った気がします。
お通夜、葬式、後片付けなどを済まし、後ろ髪が引かれる思いで、仕事がたまってしまった東京に戻りました。
借りていたマンションの郵便受けに溜まった新聞や手紙。
何もする気が起きないまま、呆然とそれらをテーブルの上に投げ出したとき、目に飛び込んできたのは、母の字で書かれた私宛の手紙。
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