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その人は腰までの長い髪を無造作に束ね
上級魔法使いの正装である深緑のロープを身につけて
メガネをかけていて…
見るからにアトリエ勤めの魔法使いといった風貌だった。
「はじめまして。ご親切ありがとうございます」
関所の入り口に向かって手を伸ばすと暖かい手で握手を返してくれた。
「こちらこそはじめまして。新人くん」
その人はシロンさんという
少しの間でもって暇だろうからと僕に本を貸してくれた。
僕はそれに軽く目を通して時間を潰した…
「交代ー…っと何だコイツ」
「この子はギルドから派遣された研修生さんですよ」
「そーか。俺はガトー。ヨロシクな」
ロープを着ていても魔法使いに見えないガタイのいい男
髪は地肌が見えるくらい短く刈り上げられていて肌も健康的に焼けている
この人が交代するらしい
シロンさんと入れ替わりで関所に入って行った。
「それじゃあ行きましょう」
通りを歩いている間にシロンさんはいろいろな話をしてくれた
さっき会ったガトーさんと魔導師アレスとシロンさんは学校の同級生だったとか
ガトーさんは薬草の工房に入っているとか…
シロンさんが憧れの研究所に勤めている話もたくさん聞いた。
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