第三章 体育祭

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「元気だしなよレン君、私のこけたのに比べたら全然マシだよ…多分」 「あれだけ特訓したのに…あれだけ特訓したのに…」 パンを口にくわえる事に手間取り、必死に顔をパンに向けて何度も飛んでいたのが恥ずかしいのか、レンは先程リンが三角座りしていた場所に三角座りをしている。 「レン…まだお前には部活対抗リレーがあるんだ、その時挽回すればいい」 「でも…貴重な得点を僕がビリになったがために一点にしてしまった…」 もはやかけてやる言葉がない。 「大丈夫だよ、まだ挽回できるしリンちゃんやその他の人達もビリになってるから」 「…ルクちゃんさりげに私まで…ひどいよ…」 「ふふ…ごめんごめん」 今現在、小等部による玉入れが始まっている。 この競技だけでも五十点あるので先輩方は自分の組の小等部が競技をする横で応援している。 「本来ならF組と勝負しているのは俺達なので応援に行くべきは俺達なんだけどな」 「まぁ別にそれとは関係無しに応援しているんじゃない?それに私達のクラスの子も数人応援しているし」 ルクに言われて確認すると確かに数人応援していた。 「というよりゼクセル君、この競技の次って部活対抗リレーだよね?召集確認しに行かなくていいの?」 リンにそう言われてルクから進行表を見せてもらう。 「レン…もう部活対抗リレーの時間だぞ、俺達二人だけだから早く行かないとエントリー取り消しになるぞ」 「特訓してもやっぱり何も変わらないんだぁ…ふふふ…」 きりがなさそうなのでレンを担ぎ上げた。 「わぁ、ゼクセル君力持ちだね」 「じゃあ行ってくる」 「いってらっしゃい」 「特訓って何だろうね…ふふ」 耳元で不気味に呟くレンを担いで選手控え場所まで移動する。 無論、控え場所に着くやいなやレンにビンタを入れて正気に戻した。
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